いい耳を持った大人を探してください
北乃ゆき
最近「いじめ」の話題が多い。
まるで最近になっていじめ・自殺が増えたかのようだ。
私の頃(制服を脱いでちょうど10年)もいじめなんてあった。
でも、その頃からいじめは昔からあったって言われてきた。
今は十分社会が動いてくれている。
少なくとも昔以上にはね。
でも、まだ足りないという大人がいる。
それも昔から変らない。
苦しんでいる人
気の毒だと思います。心から。
タスケテという悲鳴は
なかなか聞いてもらえないものだと思うので。
タスケテと発してる人に、まして子供であればあるほど
立ち向かえという廻りの言葉は残酷です。
今苦しんでいる人に、社会がしてあげられる事なんて
ほんの一握りしかない。
きっと何をどうしたって、その苦しみが解ける事はないと思う。
社会の圧力でいじめっこがを学校に来させなくなったからといって
いじめられている子供が突然居やすい場所を得られるという事にはならないだろう。
追い込まれている人には苦しいだろうけど
じっと立ち止まって、自分の小さなタスケテを聞いてくれそうな人を探して欲しい。そして、今の自分に適した助けをくれる大人を探して欲しい。
社会がなんとかすべきだと思ってる人は
たぶん何もしてくれない。
でもどこかに、自分の力以上に人の為に
精一杯力を貸してくれる、
そんな大人がまだ日本にはいるはず。
数が少なくなってしまっただろうけど、そのタスケテを聞きつけてくれる人にめぐり合えるチャンスは残されている。少なくとも生きていれば。
だから、もう少し生きて、そして、そんな人とめぐり合って、その人と個人的な関係を築いて、そしてどうぞ助けてもらってください。
いじめっこはいついじめられっこになるかわからない
その逆も然り
いじめられっこは、いついじめっこになるかわからない
社会制度に訴えたって、学校や親を恨んだって
自分をいじめている相手を憎んだって
いつか自分がいじめっこになるかもしれない度が増えるばかり。
いじめられっこの穴から同じ抜け出すなら、
タスケテを聞きつけてくれる人に助けられて
そして、少し落ち着いたときに、今度は別の誰かの
タスケテを聞き分けられるいい耳を持った大人になる方が
ずっといい。
だから、今、社会に不満を持って過ごすのではなくて
どうぞ、誰かいい耳を持った大人を探してください。