ユリカモメ
蔦谷たつや

狭い狭いからし色した故郷の空を
飛んでいるのは ああ ユリカモメか

何を哀しく思っているのか
何を気にしているのだろうか
何になりたいつもりだろうか

僕は君の琥珀の下に映って枯れてる川辺の景色を
どうにも好きにはなれないがそこを離れる気はしない

僕は君の若葉の下に映って割れてる碁盤の景色を
どうにも好きにはなれないがそこを離れる気はしない

ああ愛すべきユリカモメ
優しい君に言っておきます 僕は君のようになりたくはない
ああ愛すべきユリカモメ
哀しい君に言っておきます 僕は一生僕なんです




自由詩 ユリカモメ Copyright 蔦谷たつや 2007-03-03 03:52:02
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