騎馬戦
望月 ゆき

交差点の時計の下で
待ち合わせ
あいにくの雨降りに
バロメーターは下がり気味


早く着いてしまった時は 
ろくなこと 考えないものだ


信号が変わると 交差点は
いっせいに動き出し
わたしは 運動会の騎馬戦を思い出した


あそこの知らないカノジョの
水色の帽子なら 取れそう
そしたら 雨に濡れずに済むのに
髪型も くずれなくて済むのに


水色の帽子へと 心の手がのびる
のばした手の 
指の間にあなたの顔


とたんに わたしは 
前髪ばかり 気にする



前髪ばかり 気にする


自由詩 騎馬戦 Copyright 望月 ゆき 2004-04-18 22:59:03
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