虹色をしたタマゴ
ぽえむ君
綺麗に輝く虹色をしたタマゴは
その全ての可能性をもったまま凍結した
どんな動物が産んだものなのか
どんな生物が産まれてくるのか
何もわからないままだった
そうでありながらも
タマゴはタマゴとして完全なものだった
これ以上の進化を望めない
完成されたタマゴは
動くことも動かすこともできずに
生命としては白黒だった
殻を破ろうとするヒビが入ろうものなら
それは完全に対する破壊にも思えた
虹色をしたタマゴは
そのままにするしかなかった
その全ての未来は七色の中に閉じこもった
いつしか誰もが
このタマゴを忘れていった
虹色をした夢は
不完全なものから生まれてくることを
知ったのかもしれない