わら

冬の町に灯がともり
羽を休める


男たちは どこからか集まり
酒に身を許す


女たちは 寄り添い
夢を奏でるように


触れあうことさえ
視線を重ねることさえ

時のはかな
こころの先に

おびえるような
ひとり達よ

声も出さず
微笑むばかり


姿などは もう見せぬよに

わたしの来た後に 線のようなものがあり

かすかに 残像
テールライトのような

ゆき去る風
あわれ 幻よ

きらめきの道

冷たい町を
すこし許してほしい



風に吹かれ
遠く離れ
流れてきました

できるならば
この景色をあなたに見せたい

思い出なら
もう どこかに忘れてきました

冷たい風だけが
わたしをあやす


ゆけど
ゆけど

光は見えず

ゆけど
ゆけど

吹きすさぶ


君のいない町の灯が
想いを映すのです
















自由詩Copyright わら 2007-02-28 18:47:09
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