柔らかな気持ち
なかがわひろか

ねえ手を繋ぎませんこと
恥ずかしいのは私も同じ
否、と御即答されるのは
判っているけれど

はあっと息を吹き掛け
一瞬の合間に空気が
冷やされ地面に落ちて行く
まるで貴方の跡を記すように

然れど存じております
人知れず歩調が重ならんとしていることを
連弾のように小路を踏みつける
ア・テンポのリズムを

冷たくなって感覚を失いましたが
私の右手に貴方の温もりが伝っていることを
私は知っているのです

その温もりに
素っ気無い貴方の
本音を知るのです

(「柔らかな気持ち」)


自由詩 柔らかな気持ち Copyright なかがわひろか 2007-02-28 01:01:36
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