ぼくは大きな釜に出会った


冷たい緑色の海で




コロシアムのような釜の内側では


みんなが僕を待っているような気がした




釜の中へ



眩暈にかき混ぜられ

わだかまり

塩辛さにあえぎ




ようやっとふちに手をかけ


中を覗いた、一瞬あとに


釜は自己解体し


原動力は失われた




炭火は海水にのまれた


雷が見えている