曲がった定規
ぽえむ君
ついに定規は曲がった
まっすぐにしか使われない自分が
悲しくなったという
まっすぐに測れるものなんて
世の中のほんのわずかしかない
そう思ったらしい
もっと柔軟のある生き方を求めて
現実に当てはめることのできる
新しい自分になりたい
ゆるやかな流れにきちんと寝そべりたい
ごつごつとした力強さを味わいたい
そう願っているらしい
思えば思うほど
定規はどんどん曲がっていった
角が取れてやわらかくなっていった
定規はもう昔の定規の形ではなくなっていた
やさしさまで測れるのかもしれない
温もりまで感じられるのかもしれない
定規は丸い夢を描いていった
定規の意志はまっすぐのままだった