アルメンドロ、アルメンドラ
水在らあらあ

                  ―RIOJAにて



見渡す限りの葡萄畑を歩いてゆく
そこ此処に きれいな花をつけた木が点在している
アルメンドラ!とおまえが叫んで 駆け寄って
木の下からちいさなアーモンドを拾い上げた
そうかあ、アーモンドってこんなにきれいな花を咲かすんだね
白と、ピンクがあるんだね
でもその実は去年の秋のでしょう
もう花咲いてるのにまだ落ちてないのもあるね
おかしな木だね
でもほんと きれいな花だね

おまえは小さな石ころで コチコチ実を割ろうと叩いている
割れなくて なんだかひ弱で おかしくて
えへへ 割れないや ははは 割れないね

もう、春みたいだね
風強いけど ほら、山の向こうはあんなに青空だよ

アルメンドロが木で
アルメンドラがその実で
そうしたら、おまえは、クレオは木だね
たくさんのクレアが生まれるのかな
ちっちゃいおまえがたくさん生まれたら
毎日楽しいだろうね

ねえ、この実、ここに埋めておこうよ
来年の今頃またここに来て
小さな木が生えていたら
持って帰ろう

それを俺は盆栽にするよ
テラスで、俺たち庭ないからさ
それでもう隠居するよ
なんだかね もういいんだよ



なあ もう春みたいだ
おまえといるから
こんなに高い空の下で
おまえがそんなにも
生まれたばかりのようだから








自由詩 アルメンドロ、アルメンドラ Copyright 水在らあらあ 2007-02-26 11:26:18
notebook Home 戻る