窓ガラス越しに
うにかぜ



なぁ、ガよ。
今お前が見ている空はニセモノだ
お前がいくら羽をばたつかせようが
りんぷんまき散らせようが
そこに空は無い

お前はそんなこともわからないのか


(窓ガラスは音を立て開き始める)


なぁ、ガよ。
今お前が飛んで行きたい空が少しだけ見えたぞ
お前がもう少し左へ行けば
黒い窓枠を超えることができたら
そこに空は在るのだ

お前はどうしてそんなことも気づかないのか


(右側から肌色の怪物が現れ強制移動させる)


なぁ、ガよ。
少しは感謝してもらいたいものだな
よっぽど気持ちいいのだろうか
振り返らずに行ってしまった
それが本物の空だ

お前はそれさえも知らないのだろうけれど


(ガラス越しに西日の空を見上げる影)


なぁ、ガよ。
今、お前のこと少しだけわかった気がするよ


そうだな。


俺だってこのでっかい一つの星越しに
必死になってもがいているんだ




自由詩 窓ガラス越しに Copyright うにかぜ 2007-02-25 16:14:48
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