生人
石田 圭太

こころを動かしたいとき
いちばん大きな目で見つめると
願いを叶えてくれた。
僕らの先生は
車椅子の中で目を覚ますと
もう笑顔になっていた


なにかの手に引かれながら
鼻をつまんで
ひどく美しいものに耐えている
ごめんと謝って
僕らはやわらかい角を曲がると
もう笑顔になっていた
すこしおとなになれた
つかれたら
からだじゅうで
伸びをしたらいい
草原を転がりまわることは
忘れなくてもよかった
見下ろすと
おふくろさんのような土地が
僕らを布団のように着ていた
わあ と歓声が広がると
あたらしい空で
僕らはもう笑顔になっていた



自由詩 生人 Copyright 石田 圭太 2007-02-24 02:49:25
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