永遠
1486 106

SN 1987Aのスーパーノヴァは
16万年も昔の話

6歳の時に親戚の葬儀で
初めて別れの悲しみを知った

僕らは縹色の日々が
いつまでも続くと思っているけど
死神は夜を連れて来る
ソファーでうたた寝している間に

美しい姿を保っておきたいと
ドライフラワーにした沈上花を
見飽きて燃えるゴミの日に捨てた

そういえば月賦で支払った外車も
そろそろ買い換えないといけないな

僕らは体中にみなぎる力が
いつまでもいられると思っているけど
太陽は明日を連れて来る
今を無駄遣いしている隙に

最近白髪が増えてきたね
そう言えば少し背が縮んだかな?

思い出さないようにしていたけれど
少しずつ最期に向かっているんだね

僕らは若き日に誓い合った愛が
いつまでも続くと思っているけど
歳月が二人を引き離し
そしてすべてを忘れてしまう

だけど薬指で交わした約束に
偽りは一つだって無いよ

「永遠に君と離れたりしないよ」
そんな優しくて悲しい嘘を
君は笑って受け止めてくれるから
僕は初めて誰かのために
死にたくないって心から思えたんだ


自由詩 永遠 Copyright 1486 106 2007-02-23 18:03:37
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