午後一時の間の心の晴れ渡り具合
はじめ
午後の日溜まりの中に首を突っ込んでみて
僕はその上に太陽があることを知る
雪が積もって草花達を見られないけど
僕は残念がっていない
日溜まりの中はとても暖かい
まるで体が清められるようだ
日溜まりの中で文庫本を読んでいると
ちょっとずつ眠たくなってきて
ついに転寝をしてしまった
夢の中で僕は君とキャッチボールをしている
君は笑って素手でボールを受け止めている
キャッチボールなんてしたの何時だったっけ?
君は私は一度もしたことないよと言う
へーそれなのにそんなに上手いね
と僕は微笑む
数回やりとりをし終わった後そこで夢は途切れた
僕は体を起こすと時間を見た
午後一時半だった
至福の時だ
窓からは甘美な光がシャワーのように降りてきている
僕は両手をついて笑いながら光を全身に浴びる
静寂な家の中の空間
物悲しい雰囲気は無い
ただこの部屋には何も無いが
午後一時の幸福
午後一時間だけの至福
この部屋にはクリーム色の光で満ちている
日溜まりが次第に大きくなっていく
午後二時には必ず眠気が足音を立ててやって来る
僕はまた苦しい夢を見なければならない
君と過ごした楽しい記憶は午後一時の間でしか見ることができない
僕は溜め息をつき
さっき見た君との思い出の夢を再び思い出してふっと笑う
太陽が雲を割ってこの部屋を照らしている