shriek
三架月 眞名子


君には聞こえないだろ

聞こえても理解出来ないだろう

光を切り裂く鋭利な悲鳴が


今も、この先も

僕がどれほど君を按じても

決して届くことはないだろう

ただの恨み事になってしまうだけだろう


だって

君は僕とは違って

今も、この先も

一筋のの躊躇も

一欠片の誤まりもなく

進んでいくだろう、

ってそんな事くらい

僕にも見えているから


誰かのように

数年を棒に振ってしまうような

馬鹿な生き方はしないだろうから

過ちすらすべて"正"に変えてしまう

魔法のような力を

君は持っているのだから


そんな君の横で

これからずっと

僕だけが

やきもきした気持ちを抱えて

生きていくんだね

耐え切れなくなるまで…



たった一度

すべてを照らし出された世界を見てしまった僕は

闇に飲まれていた世界が

恋しくて

帰りたくて

でも

還れなくて


そんな事に気を取られてばかりじゃ

光の美しさの事なんて

いつか忘れてしまうんだ

否、既に忘れかけている




だから闇の温かさに

恋焦がれる




だからこうやって

このカタチのないナイフで

光を切り裂こうと

必死にもがいているんだ




まるで

酸素を求めている魚のよう



そんなぼくが可笑しいかい?



それでも僕は

君と居たい


自由詩 shriek Copyright 三架月 眞名子 2007-02-22 00:11:27
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