窓際
暗闇れもん

窓際で、本を読んでいる
風がさらさらと長い髪にふれている
春の香りがあたりに漂う
時々体の位置を変えるたびに
自分の存在に気づいているのかと不安になる

こんなにも後ろめたいことなら
いっそのこと見なければいいのに
気づくと視線がいってしまう

春の風にさそわれて

ページがぱらぱらと浮かれ出す

見たくない
気持ちが自分の瞳からこぼれだしているのが分かる
手のひらを見つめても
きれいな髪の一本も掴めない

何も掴めないけれど

ここで淡い春に染まっていたい




自由詩 窓際 Copyright 暗闇れもん 2007-02-21 23:45:28
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