真っ白な思い出
ぽえむ君
社会の授業で
何も考えることなく
黒板の文字を
そのまま写していたあの頃
ページを変えなくてはならなくなって
めくったまではいいけれど
ふと何も書かなくなった
理由は何もないけれど
ぼんやりと外を眺めて
何を考えるわけでもなく
目に見えるものを
ありのまま追いかけていたあの頃
記憶らしいものもなく
ただ真っ白なノートだけは
不思議と覚えている
真っ白な思い出
確かに何かが動いていた
確かに誰かが騒いでいた
全ては停止したままの
真っ白な思い出
授業の終わりのチャイムとともに
ノートを閉じたけれど
真っ白な思い出は
ノートには収まりきれていなかった