真っ白な思い出
ぽえむ君

社会の授業で
何も考えることなく
黒板の文字を
そのまま写していたあの頃

ページを変えなくてはならなくなって
めくったまではいいけれど
ふと何も書かなくなった
理由は何もないけれど

ぼんやりと外を眺めて
何を考えるわけでもなく
目に見えるものを
ありのまま追いかけていたあの頃

記憶らしいものもなく
ただ真っ白なノートだけは
不思議と覚えている
真っ白な思い出

確かに何かが動いていた
確かに誰かが騒いでいた
全ては停止したままの
真っ白な思い出

授業の終わりのチャイムとともに
ノートを閉じたけれど
真っ白な思い出は
ノートには収まりきれていなかった


自由詩 真っ白な思い出 Copyright ぽえむ君 2007-02-21 22:42:15
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