人類火星進出計画
仲本いすら
ある日突然地球がダメに
なっちゃったりして
どこにも行くあてがなかったら
火星移民計画を
一緒に実行しよう
(月のうさぎが手を振っていたら)
(ちょっとだけ振り向いてあげよう)
三分の一になった君を
ふわりと抱き上げて
タコ型の宇宙人
未確認飛行物体の上で
無重力キッスを
何回だって
何回だって
(アポロから誰かが覗いていたら)
(もう!えっち!だなんて呟いてみたりして)
僕らの酸素が足りなくなってきたら
用意していた酸素ボンベを二人で共有して
もっと遠くの銀河まで
究極のワープを続けていこう
(燃えそこねた炭素の塊は)
(僕が火曜日に捨てておいてあげる)
冥王星まで着くころにはきっと
僕ら新しい人類になって
きらきら輝く
地球、育てんだ。
* * *
だけどやっぱり
僕だって三分の一になってしまって
僕らにはなんの違いもないこと
再確認したあとに
超光速の
宇宙船に乗せて
きらり、
愛、育てんだ。
*
そして星が全て
落ちてしまったときは
一番輝いてる君が
そらに浮かぶのを
待ち望んでいる。
*** * **