希望的観測。



軽く瞼を閉じて みっつ数えるまでに
星も 雪も 雨も そうして桜も 散ってしまえばいいと思った
痛いのはもうずっとで 世界のどこにも薬などなく
ただの水に想いを溶かした毒を 飽きるまで飲んでいたのに



手のひらには 今 何が在ってくれるだろう
砂や空は いつか別れを告げていったし
夢の種は それと知らぬまま砕いて 捨て続けてしまった
何が在ってくれるのだろう 
君もなしに 何が



茨の道を 好んで行こう
いつか傷ついたその跡の 血が赤ければ 大丈夫
想いの毒の 味は変わらず 
まだ私は私のまま
信じてこの足を 踏み出してゆけるはず

いつか その果てに 君が
満面の笑顔で 居てさえくれれば

私には 全てが宿るだろう
私に 守れぬものは なくなるだろう
私は 誰もを愛せるだろう



だけれど
果てに 君がいなかったなら。




自由詩 希望的観測。 Copyright  2007-02-18 17:52:16
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