希望的観測。
汀
軽く瞼を閉じて みっつ数えるまでに
星も 雪も 雨も そうして桜も 散ってしまえばいいと思った
痛いのはもうずっとで 世界のどこにも薬などなく
ただの水に想いを溶かした毒を 飽きるまで飲んでいたのに
:
手のひらには 今 何が在ってくれるだろう
砂や空は いつか別れを告げていったし
夢の種は それと知らぬまま砕いて 捨て続けてしまった
何が在ってくれるのだろう
君もなしに 何が
:
茨の道を 好んで行こう
いつか傷ついたその跡の 血が赤ければ 大丈夫
想いの毒の 味は変わらず
まだ私は私のまま
信じてこの足を 踏み出してゆけるはず
いつか その果てに 君が
満面の笑顔で 居てさえくれれば
私には 全てが宿るだろう
私に 守れぬものは なくなるだろう
私は 誰もを愛せるだろう
:
だけれど
果てに 君がいなかったなら。