戦争と平安
はじめ

 気が付くと何もかもが始まっていた
 戦争や受精や無限なんかがとてつもない規模で広がっていった
 僕達は真っ黒になった体で敵地に乗り込もうとしている
 空は神様の胸 大地を覆うようにしていらっしゃる
 雲は神様の衣だ その下では人間達が幸せそうに暮らしている
 しかしいずれそこもやがて来る戦火の炎によって追い出されるであろう
 神様の血に染まった赤紫色の空は高くそして狭い
 空に向かって何千発もののミサイルが飛ばされた
 墜落していく戦闘機や浮游船
 人々は逃げ惑いバラバラになって逃げていく
 破壊された街は高い建物が崩れて廃墟となっている
 母親と逃げ遅れた子供が泣き続け街全体に泣き声が響き渡っている
 天国では神様に逆らう者達が民達を虐殺して暴れ回っている
 神様は両手を挙げたまま首を振るばかり
 神様の子供は神様の御胸の中にいる
 神様は全生命達を見守っている
 人間達は醜い争いをしている
 虐殺 虐殺 天国でも地上の世界でも虐殺は続いている
 皆(戦争をしている人達は別として)は祈りを神様に捧げた
 突然海が荒れ 巨大な津波が地上を襲った
 戦争はそこで終わった 戦争をしていた人達は皆懲りて神様に祈りを捧げた
 空は青くなり 雲は真っ白になった
 僕達は昇り来る朝日を見て感激した
 とたんに僕には何も無くなった
 サンダルを履き 近所の店を見物したりした
 僕の目的とは何だろう?
 心には暗闇が詰まっていたが今は空っぽだ
 平安
 詩と向き合うことで自分自身を知る
 海辺の夕焼けが脳裏に浮かぶ
 僕の心の落ち着く場所
 戦争も受精も無限なんかも終わり 僕は僕自身を手に入れた
 僕はここでじっとしていなければならない
 ここには未来も過去もない
 それを待ち望むのなら死ぬしかない
 僕はここで生きる力を手に入れたい


自由詩 戦争と平安 Copyright はじめ 2007-02-15 07:57:27
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