白い布が足りない
あおば

             20007/02/15
白い雑巾縫い始めたのが
掃除の始まりで
真っ黒に汚れた足の裏
ぞうきんがけを覚えたのが
小学校の廊下
電車道のようにまっすぐに
競争して
ぞうきんがけをして
勝ったの負けたのと
すぐに遊びになってしまうのが
子供の特性かも知れないと
いつまでも
子供の顔した大人たちは考える
大人達は掃除が嫌い
小さな手足の子供たちを
ぞうきんがけにして絞る
真っ黒になったバケツの水は
裏の下水に流してしまう

泥だらけで
真っ黒な子供たちを
汚れているからと
不潔と言いながら
みんなで馬鹿にして
石を投げつける

当たれば避けなかった子供が悪い
当たったのは当たりたかったからで
痛そうなふりして
同情を甘心を買おうとする卑怯な奴だ
石をぶつけられても仕方のない奴だが
真っ黒な雑巾で顔を拭けば少しは綺麗になって
少しは素直になって勉強にも精を出すようになるのだと
雑巾を絞らないままに投げつけてくる
避けようとすると
向上心がないと罵る
避けようとしないと
ずるい奴だと怒られる
知らん顔していると
バケツごと水をかけられて
全身濡れ鼠になる
ネズミは害獣だから
殺しても好いのだと
棒きれで思いきり叩かれて
下水の溝に追いやられ
逃げられたと罵られ
卑怯な奴と烙印押され
後は知らん顔で
忘れたまんまの白い布で
美しい手足を拭います





自由詩 白い布が足りない Copyright あおば 2007-02-15 01:37:50
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