パフェ
もこもこわたあめ

お店のショーウインドウでみかけたおいしそうなパフェ
 白と赤や黄色や黄緑をちりばめたガラス細工みたいにきれいな パフェ

お手ごろ価格だったのと甘いものが食べたくなったのとで
 ついに頼んでしまった憧れの パフェ

目の前にすらりと立つその姿はどこか上品で
 どこかそっけなくて愛らしい儚さをまとった パフェ

ずっと眺めていたらそのうち白と赤や黄色や黄緑が混ざり合って
 ガラス細工は微妙な色合いの食べ物の パフェ

   となった

思わずスプーンにとると白いしずくが乾いた砂地にしみこんでいく
 その光景はまるで一所懸命根を張っている植物のような パフェ

スプーンの白い泉は疲れ果てたように輝きを失っていたので
 哀れに思ったのと我慢できなかったのとでひとくち食べた甘い パフェ

ガラス細工とも芸術作品ともいえない姿に成り代わってしまった
 そのものの集まりは食べ物のとしての パフェ

   となった

 
ひとくち
 
      またひとくち
              残ったものは透き通った色の ガラス細工

   となった


自由詩 パフェ Copyright もこもこわたあめ 2007-02-14 00:19:48
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