パフェ
もこもこわたあめ
お店のショーウインドウでみかけたおいしそうなパフェ
白と赤や黄色や黄緑をちりばめたガラス細工みたいにきれいな パフェ
お手ごろ価格だったのと甘いものが食べたくなったのとで
ついに頼んでしまった憧れの パフェ
目の前にすらりと立つその姿はどこか上品で
どこかそっけなくて愛らしい儚さをまとった パフェ
ずっと眺めていたらそのうち白と赤や黄色や黄緑が混ざり合って
ガラス細工は微妙な色合いの食べ物の パフェ
となった
思わずスプーンにとると白いしずくが乾いた砂地にしみこんでいく
その光景はまるで一所懸命根を張っている植物のような パフェ
スプーンの白い泉は疲れ果てたように輝きを失っていたので
哀れに思ったのと我慢できなかったのとでひとくち食べた甘い パフェ
ガラス細工とも芸術作品ともいえない姿に成り代わってしまった
そのものの集まりは食べ物のとしての パフェ
となった
ひとくち
またひとくち
残ったものは透き通った色の ガラス細工
となった