ありがとう
わら

ありがとう

もう、だいじょうぶ


夢の中で 出会えるから







きみは 何度も
夢の中で 会いにきてくれた


その喪失感から
行き場をなくしそうになる日々にも







16年という歳月は
思いかえせば、
あまりにも長いもので


ぼくの人生の半分以上を
すっぽりと つつんでいる



よく、いっしょに添い寝もしていたから

その体温は
もう、ぼくの一部にもなっていたんだ





きっと、少年の頃、
闇に堕ちてしまいそうになったときも

救ってくれたのは、
きみだったんだと思う


ずっと、こころは、ひとりだったからね








年の瀬に、
きみは急に衰えはじめていった


ぼくは、そのとき、
日々に 翻弄されていた



失くしたこころと
後悔のようなものに自分を責める




突然、逝った、きみの亡き骸を見つめ、

涙は こぼれなかった






もう、いまさら、どうしようもないのに、

ただ、
つめたくなった その頬に

何度も 何度も

口づけをした



ひきとられるまでの3日間、

何度も 何度も







そして、しずかに、

その、喪失感に
しめつけられていったんだ



もう、ひとりなんだと









だけどね


そんな日々に、

きみは何度も、夢の中で会いにきてくれた


疑いもなく
その体温を感じれるほどに









「ひとりじゃないんやね。」












こころの中に生きつづけている。


そういうことなんやね



あたたかい想いと、
ずっと、いっしょにいられる気がした






もう、だいじょうぶ





ありがとう


ありがとう





















自由詩 ありがとう Copyright わら 2007-02-13 16:30:27
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