浮遊感
はじめ

 空を見上げることが怖くなった
 もうあの星達は僕の頭の上にはいない
 空虚になった心 空を見上げる時の心の痛み
 僕は暗い宇宙の中で蹲る

 夢の中でなら本音を言えるのに
 現実では何も言えなかった

 夢の中の遊園地で待っているよ
 夢の中の小説を書こうと思ったけど思い出せない

 気力がない
 何もかも投げ出してしまいそうで
 僕は不思議な感覚に陥っている

 事務所の空には分厚い曇り空が張り付いている
 僕はそれをなんということもなく眺めている
 蒸し暑く 蝉がミンミンと鳴いている
 僕はゆっくりと落ち着く

 夢の世界へはもう入らない
 もう決めたんだ
 君に逢うことができなくなるけど
 だけど現実で君と逢えることを願う
 何百年に一度でいいから 逢いたい

 僕がおじいさんになった時に
 運命の歯車は回る
 君のことを忘れていた時に突然に
 君が目の前に現れて
 僕にずっと想ってくれていてありがとうと言う

 僕と君は静かに暮らす
 生活を脅かすものはないから
 じっくりゆっくりと暮らそう
 いつまでも


自由詩 浮遊感 Copyright はじめ 2007-02-11 07:08:25
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