二月
松本 涼

二月をはじめたばかりの空に私は宿る
人見知りの日差しはまだどこかぎこちない

手放した温もりを眺める視線と
手放された痛みを撫でる記憶

風は中途半端に冷たい

人気のない歩道橋の上の無機質な
静けさの下にも木霊するような囁き

私は輪郭を逃がしてゆく



自由詩 二月 Copyright 松本 涼 2007-02-11 01:51:14
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12ヶ月