*碧憶*
ちと

なびく髪に右手をかけて
岸壁で揺れる君
大丈夫よ、と言う声が
気のせいじゃなくて
確かに震えていた

けれども

僕は知らない振りを決め込んで
安堵のため息を漏らしてみせる


後悔をカモメの背に乗せて
大海原に放とうか

少しずつ零れだして
溶けてしまえ

紺碧の中の瞬きに

いつか泣いてみせるから


自由詩 *碧憶* Copyright ちと 2007-02-10 23:18:15
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