小包
ぽえむ君
郵便受けに葉書を取りに行くと
ワニが立っていて
小包は腹の中にあると言うので
両手で口を大きく開いて
上半身を口の中に入れて
ようやく取り出すことができた
小包を開けると
小さな電卓が出てきた
数字の1を押すと黄色に
2を押すと赤に
空が変わっていった
八桁まで出して0を乗じると
空が消え
綺麗な星空になっていた
ポストの中はすでにドライアイスで
白い煙が立ち込めていたので
電卓を入れてみたら
悲しい声で女の人の泣き声がした
遠い故郷の母の声だった
自由詩
小包
Copyright
ぽえむ君
2007-02-10 21:34:41
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