シチューとパンとそれから
プル式

仕事の帰り
寒くって走りだしたらさ
どこからかシチューの
少し
焦げた匂いがしてさ
暖かい部屋と
スープと
それから
それから
いろいろ
いろいろ

伸びた髪が邪魔だけど
足音ばかり
威嚇するみたいに
駆け抜けるけど

泣きそうな気分だから
らららって
唄って
走りながら
唄って
止められなくなって
無理矢理止めて
息が苦しくって
そしたら
もっと
惨めで
泣きたくて
止められなくて

ちくしょう
シチューが焦げてる
暖かい想いが
冷めちまう


自由詩 シチューとパンとそれから Copyright プル式 2007-02-10 20:13:12
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