Life Is A Carnival
んなこたーない
唇はそれきり閉じられた。
走れ、――Life Is A Carnival.
水道管のつめたい色。
手を離して、さようなら。
問わず語りのさようなら。
しかし、そこでまだ待っている、僕の少年。
またあるときの僕の微笑。
走る、――Life Is A Carnival.
<黙れ>のポーズ。
テーブルを囲んだ、午後11時。
笑えない食卓、フォークを突き刺せ。
――Life Is A Carnival.
僕が裸になると、<止まれ>の合図。
性倒錯者の悪循環。
そうして、知らない人の腕に抱かれて、
微笑みながら会釈する。
さえぎるすべての光のなかで。
僕は射精する。
ふいに僕の喉元にナイフが当たる。
食器戸棚のガラスを泣きながら叩き割ること。
オーブンレンジに頭を突っ込み点火すること。
あるいは、思いがけない疑惑のような僕の精液。
花飾りのアーチをくぐる。
君たちは15歳、――Life Is A Carnival.
君たちも、僕らのように、
そのときすでに、軽蔑の表情を着こなすことをすっかり覚えているかもしれない。
(しかし君たちは快活に歩まなければならない!)
さようなら、屈辱的な僕の純潔。
またあるときの僕の微笑。
Life Is A Carnival――、つまり、僕もまた15歳。
さようなら、ニーチェとの退屈な長電話。
さようなら、さようなら! 髪を切りすぎた日のように風景は一変する。
傘を傾けて、手を振った。
「When I Paint My Masterpiece」
(それは僕の名前である)
墓地の入口で歯車を拾う。
「書くことがない」の一行で終わった日記を読みかえす。
うまく泣けない、――Life Is A Carnival.
10年分のさようなら。
問わず語りの日曜日。
しかし、そこでまだ待っている、僕の秘密。
またあるときの僕の少年。
(僕はうまく泣くことが出来ない)
さえぎるすべての光のなかで、さようなら!
(それもまた僕の名前である)
Life Is A Carnival. 僕は走る、走る、どこまでも。
しかし、これは単なる話にすぎない!
僕はうまく泣くことが出来ない!
僕は決して15歳ではない!
――さようなら! 僕は走る、走る、どこまでも!