キスリング
三条麗菜

モネよりも
ルノワールよりも
キスリングの絵が好きです

彼の描くミモザは
その小さい花の一つ一つが
どれも眩しいほど鮮やかなのです

それは美しい憧れです
あなたの目に
私はそのように映りたいのです

キスリングの絵筆のように
私のことを見つめたあなたが
その心の部屋に飾る
私という絵画が
あのミモザであるように

そして円環のように
終わりのない口づけを
私という絵画に
投げ続けてくれるように

私のどの花も
一つ残らず見つめて
絵筆を鮮やかに走らせて
描いて下さい
あなたのために
全ての花が
全ての花が
咲いています

そんな憧れは憧れとして
私がもしも花ならば
今は少々水が足りません

明日は土曜日です
キスリングの仲間達
エコール・ド・パリの絵画が飾られた
あのカフェにでも行って
紅茶でもいただくことにしましょう


自由詩 キスリング Copyright 三条麗菜 2007-02-09 23:35:58
notebook Home 戻る