ミランダ
石瀬琳々

ミランダ やさしい亜麻色の髪
青い瞳で微笑みかける
ボッティチェリの絵から抜け出た天使
裸足で草原を歩くのが似合う


ミランダ 白鳥の細い首筋
もうすぐ居なくなると告げた
はかなげな指先は弧を描いて
白いドレスを翻し踊るのが似合う


心を込めて詩を書いた ミランダ
聖バレンタインに美しいカードを添えて
あなたに贈るこの憧れを
すべてが魔法に掛けられた ミランダ
誰もがあなたを眼差しで追うように
誰もがあなたに魅かれるように
その微笑みだけを欲していた ミランダ
美しいあなたを
あなたの居ない世界は闇だと
何かを予感していながらあなたは
いともたやすく澄んだ小川を飛び越えて


ミランダ ひな菊の可憐な花
風にそよぐ静かなほつれ毛
投げかけた眼差しに時は止まる
輝きだけを永遠に切り取り








自由詩 ミランダ Copyright 石瀬琳々 2007-02-09 14:46:48
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