午後のコーヒー
ぽえむ君

コーヒーカップの中に
スカートをはいたライオンがこっちを睨んでいた
動物図鑑を投げ入れたら
羊の写真でセーターを編み始めているので
砂糖を入れてスプーンでかき回した
匂いを嗅ぐと春の草が漂った
おもむろに本を取り出し
適当にページを開いたら
携帯カメラで顔を写されたので
本を逆さまにして
下から読むことにした
洗濯物を片付け忘れているのに気づき
あわてて取り込み
それらを丸めたまま抱え込んで
台所まで行って
漬物樽の中に放り込んだ
ようやく落ち着いて戻ってくると
飲みかけのコーヒーカップの中には
ライオンが気持ちよさそうに
昼寝をしていた
春の匂いはどこにもなかった


自由詩 午後のコーヒー Copyright ぽえむ君 2007-02-09 13:51:59
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