意識
はじめ

 雨が降り続いている
 僕の落ち着ける心
 心の底は雨が染み込んで温もりを持っている
 僕は詩を書くことを拒絶した
 しかし今詩を書いている
 時間の止まった意識 灰色の世界を彷徨う
 薄れかけた景色 薄桃色の景色の混合
 パレット 様々な色がある 誰かが筆で僕を塗った
 公園 池に漂うアヒル達 池を叩きつける雨
 公園は癒されている 闇を被された公園は僕の胸の中
 僕の黒いマントは風にたなびく 地上のひとつひとつの光が見える
 飛び続ける どこまでも 冷たい風を全身に浴びて両手を広げながら
 懐かしい風景を見つける目的を遂行しながら
 夢を見た 結局は僕は世界でただ一人だというだけ
 球体の夢を暗闇の中で持つ 
 夢は弾けてピンク色のネバネバした液体が辺りに飛び散った
 僕は空っぽになった 体の中は空気だけしか入っていない
 地面に手を当てる 闇が煙のようにフワッと浮き上がって僕の腕を昇ってくる
 僕は闇に支配される
 雨の温もりが消えていった
 視界が真っ暗になり 僕は何もすることができなかった
 僕はまた夢を生み出した
 すると体は正常な状態になった
 上を見上げると闇に穴が開いて太陽が姿を現していた
 僕は太陽に向かって飛び上がった
 光を全身に浴びて僕の体は光を手に入れた
 胸は暗闇に哀愁の念をまだ持っていた
 胸は僕の落ち着ける心を思い出そうとしていた
 そうは簡単に思い出せない
 場所
 僕は思考する 色々な場所に向かって
 太陽はその場所を照らし出している
 僕にはその場所を思い出すまで行くことはできない
 それまで太陽と一緒にいる
 どのくらいかかるのか分からない
 意識が無くなるまで待っているかもしれない


自由詩 意識 Copyright はじめ 2007-02-09 06:59:53
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