ずれ・みぞ・あな
yangjah

あいも変わらず
呼吸は浅く

冬空の下を
自転車で駆け巡り
なんとか深呼吸を
むさぼる


気がつけば
ささいなずれが
底なしの溝に
なって

そうなってしまえば
どんどん掘り進んで
宝物が
核にちゃんと
ひそんでいることを
みつけるしかない

そして
宝物を
手品で
いっぱいにして
大きく深く掘られた穴を
埋める

それでも
余るほどの宝物は
ちゃんとふたつの手に
握ったまま
日々を生きる

深呼吸のおまじない



自由詩 ずれ・みぞ・あな Copyright yangjah 2007-02-08 09:57:31
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