ブルー、
yuri.
たとえば
それは、
晴れわたる夢に
やさしい雨がのこした跡
テーブルのオレンジは
断続的におとずれる早朝、
半透明のまま
ころがっていて
方向性をなくした部屋に
ふりそそぐ
微炭酸の、記憶
モスコミュールにかすんだ日々は
きっと
朝というすき間に
ゆるやかに停滞して、
きら
きら、と
流れる
踏みつづけた地面を、
せめて
とおくまで続く平面だと
しんじたかった
あわいブルーの、日付
やさしいうたは
ハミングでうたう、と約束をしていた
そうして
溶けだした声は
今も、
どこかに
なじんでいますか
リビングの
水槽のふちに届いた、温度に
てのひらを浸し
あたたかい冷蔵庫にもたれて
やさしいあめ、
と
つぶやいては
ゆるやかに
遊離する音に、
眩暈した
11階の
すがすがしい窓から
見えた気がした
とおい、
透明な駅への階段の途中
たとえば、
それは、