春日響

空は曇りだした
人形をかかえて歩いたのなんて久しぶりだった
陽も落ち始めていた

にこにこしながら歩いた
隣の彼もにこにこしてた
そんな私はそんな彼に三つ嘘がある

花屋さんが右手側にあらわれる
百合がとても綺麗に
口を開いて私は言うんだ
今日こそ言うんだ

と ぽつり
降ってくるものがある
ぽつりぽつりぽつり
集団になって襲いかかってくる雨の群れ
濡れるわたし
もう言えない


自由詩Copyright 春日響 2004-04-12 01:37:20
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