春待ち
緋月 衣瑠香

誰にも見られたくないから
急いで家に帰った

母さんが心配そうに声をかけた
でも
無視して階段を上がって行った

ドアノブをまわした
中には私だけの世界があった
そこにあるベットに滑り込んだ
ふかふかしていて落ち着いた
私は泣いた
声を押し潰して泣いた

誰にもいえないことだから
ずたずたの心に
ただひっそりと鎮めておく
私の思いは涙になる



あぁ
はやく春が来ればいいのに


自由詩 春待ち Copyright 緋月 衣瑠香 2007-02-05 21:14:34
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