とまりぎ
明日殻笑子

しろいくもをちぎりちらした
まっさおくきれいなそらのかなたから
あなたといういちわのとりが
あたしをめがけてとんでくるのがすきだった


きょうはどんな
いろのきのめをみたの?
きょうはどんな
いろのむしのじんせいをおわらせたの?
おもってることかなえたいこと
せつないことたのしいことみんなきかせて
あなたのあしが
ふれるしゅんかんのじゅうりょうがしあわせ
あたしというとまりぎ


つかれたはねを
やすめにくるあなた
いちにちにいっかいが
みっかにいっかいになり
いっしゅうかんにいっかいになったのよ
たしかにあのマホガニーに
あんていかんはまけているけど
そこらのメイプルなんかよりずっと
あたしのほうがいいコロンをつかってる


いつものように
とびたつときにいっしゅんふれる
つめをたてたじゅうりょうがたまらなくかなしくて
じゆうなじゆうなあなたのために
しずかにしずかにまちぼうけるあたしから
しずかにしずかにまちぼうけるそのいみすら
「じゆう」をかざしてとびさってゆくの


しろいくもをちぎりちらした
まっさおなそらはなまえのとおり
とおくあまりにからっぽすぎる
あなたといういちわのとりに
ひとみのなかのけしきさえさっかくした
あたしというとまりぎ










自由詩 とまりぎ Copyright 明日殻笑子 2007-02-05 03:44:42
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