よる
暗闇れもん
熱を帯びていく
赤い唇に似た花びらが体に落ちる
落ちていくのは花びらか
白いあなたの体か
波がうねるように
ねむり閉じられた視線をつなぐあなたの扉
漆黒の瞳が中に閉じ込められ
わたしを見ようともしない
扉をくすぐるように唇を落として
もっとおちていこうよ夜は長い
まだ知らない姿に変わり
わたしを忘れたように熱に浮かされても
残さず食べてくれるのなら
ねこみたいに舌が肌を踊る
さみしさを隙間なく埋め尽くし
理性なんてこの耳に届かせたりしない
花が咲き乱れる白くなめらか
扉が開き
夜に
あなたに
閉じ込められる