「こころ」 (あなたへ)
ベンジャミン


それは
ただ真っ白なノートのようで
けれど
不思議に美しいノートでした


その場限りの言葉では
跡を残すことさえできない
そんなノートでしたが

熱い言葉なら
焼きつけることができました
冷たい言葉で
傷つけることができました


それは
だんだんと色を重ね
それが
ただ真っ白なノートだったと
そして
思い返すことさえ忘れてしまう
けれど
わたしがわたしでありつづけ
あなたがあなたでありつづける

それを唯一
証明してくれるものかもしれません

たとえばこんな
詩であることに

それ自体が意味を主張しないのと
同じように







自由詩 「こころ」 (あなたへ) Copyright ベンジャミン 2007-02-03 01:33:37
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