灼熱の泥を抱いて
砂木

爪の丸みさえ 
新しい希望のように

削った続きは 荒々しく
ひかれて こなごななのに

刃向かいきれない
小ささえ
隠し持てる 最大の武器にして 

地図のいらなくなった
なつかしい香りが誘う

まだ なつかないものばかり多いのに
瞳に 笑いかけて 
いいわけを聞かずに 指をさす

つられるふりで
呼びかけに応えよう

誰もいないから 私がいる

だから
誰かに 会える 私がいる




自由詩 灼熱の泥を抱いて Copyright 砂木 2007-02-02 23:42:39
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