朝の微笑み
草野春心



  緑色した物干し竿がある
  律儀に並んだ洗濯物がある
  真っ白いシャツの清潔な香りがある
  どこかのだれかの朝の庭で
  どこかのだれかが伸びをしている



  あたらしい陽がある
  あたらしい陽のなつかしい温さがある
  それらを受け入れる肌と心がある
  どこかのだれかの朝の庭で
  どこかのだれかがそっと微笑む



  その微笑みはどこへ行く
  遠く離れた恋人へ?
  それとも彼女の二親へ?
  否、いま確かに握られた如雨露の口から
  ほかでもないこの朝の庭へ




自由詩 朝の微笑み Copyright 草野春心 2007-02-02 23:18:08
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