137億年目のハッピー・バースデー
はじめ

 137億年前に生まれた宇宙=時空連続体のまとまりは137億云々歳の誕生日だ
 宇宙の外から家族や親戚 友達らが宇宙を取り囲むようにしてお祝いにやって来た
 宇宙の外側の世界がどんな色なのかはご想像にお任せしたい ただ 外側から宇宙を見てみると“ほくろ”のような一点のシミみたいに見えるのだ それは仏のほくろかもしれない 実は「西遊記」でもうそのことは立証済みで その外にはまた宇宙が広がっていて誰かの“ほくろ”であってまた宇宙が広がっていて…という無限の繰り返しなのである
 それはさておいて 家族や親戚や友達らは(姿は千差万別だ ここでは表現だけ擬人化してみる〈後に何が残る?〉)宇宙を大いに褒め称えた 何故なら宇宙だけがたった一つの生命体が住んでいる星 地球をまた一年見守り通したからである
 そして未だに成長し続ける宇宙に驚きを隠せなかった 宇宙には寿命が無い ただみんなが心配しているのは宇宙のお腹の中の銀河系の太陽系の神と称される「太陽」があと50億年後に大爆発するということだった 地球の人間達はそれまでに新たに“新しい神”を創造できるのか? 人間達が“神”を超える時 それは自分達が自分達の神を自在に“創造”できる時だろう しかしその時 人間達は次に“何”を神として崇めるのか? それが宇宙にとってみんなにとっての悩みの種だった
 だが人間達は50億年後にその問題を解決する前に 大きな問題が山積みされていることに直面していた 温暖化 人口問題・食糧危機 自然破壊 エネルギー問題などだ 昔は宇宙の広さのように資源が限りなくあると思っていたが 今になって人間達はそれは大変だと痛感し世界中で代表者が集まって会議などをしている 人間は失敗しなければ(今の状態を失敗と呼ぶかは分からないが)学ばない生き物なので 宇宙やみんなは丁度良いことだと気長に待っている 何故なら人間達は教訓を生かせば世界で(世界∨宇宙)最も頭の良い動物なので 問題が起きた時に幾らでも知恵を絞って危機を脱することができるのである 例えばエネルギー問題に関しては新しいエネルギーの開発が注目されているし 最終的な課題である太陽の代用物としては いつ発明されるか分からないが 人工太陽がある 人工太陽さえ創ることができれば 人間達は神を超えることができるのだ(宇宙を超えることはないとしてもだ そしたらやっぱり仏は超えることはできないんだろうか?〈笑 仏も神と同一とみなすなら別の話だが)
 宇宙のバースデー・パーティーは盛大に行われた(ここから擬人的な話を語ろう) 137億云々本のロウソクがケーキに刺してあって 照明が消えて(世界を司る大太陽が消えた〈宇宙の外にはそういうものがあるのだ)バースデー・ソングをみんなで大合唱した 父や母は嬉し泣きをし(こんなに立派になって…と) 妹や弟達は祝福の為に宇宙とじゃれ合った(宇宙は一応長男なのである 父と母がそう宇宙に言っているだけで本当はお兄さんやお姉さんがいるかもしれないが 誕生会には来なかった 持ち場を離れられない理由でもあるのだろうか〈笑) 宇宙は偶然にも今日が初めて酒を飲める日だった 宇宙は顔を真っ赤にして家族や親戚や友達にお礼を申し上げた こうして宇宙のバースデー・パーティーは幕を閉じた


自由詩 137億年目のハッピー・バースデー Copyright はじめ 2007-02-02 21:31:28
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