いつか、 やがて
わら

いつか  やがて、
どこかで みんな、しあわせになって

どこかで かなしみに出会ったり

どこかで 別れたり

どこかで 子どもを生んだり

どこかで ひとりになったり

どこかで 死んだり


セカイは まわって

やがて、
いつか、ひとりで死んで
だけど、
どこかで いのちが、また生まれたりで



ぼくらにとっても、永遠はなくて


こうして出会って
だけど、やがて
どこかで、別れて


真理をみつめようとする者は
そのことに、
すこし、はやく気づいていて
そんなヒトは、詩人になって
ヒトより、すこし、孤独をだきしめていて


だから、また、
ぼくらは、こんなふうにして出会った

こころを開こうとして
「あなたのいたみも、わかるから、
ぼくのいたみも、わかってほしい」 なんて、
そんな本音みたいののことじゃなくて

仲良くしてほしいとか、
好きになってほしいとか、というのとは、
すこし、ちがっていて

だきしめてほしいとか
ずっと、いっしょにいてほしいとかじゃなくて


ただ、やがて、

いつか、別れゆくことや、
うしなっていくことが、
ずっと、とおくのことなんて、
思えないんだ
ぼくは


「いつか、みんな、死ぬ」 とか、
ニヒリズムなことをうたいたいんじゃなくて、

かすかな面影が こいしくって


やがて、
幸運だとしても、
やっと、みつけられる、ゆるぎないヒトは、
生涯、たった一人だけしか、残らなくって

それさえも、やがては、ひとりで死んでいく


たまらなく、さみしくなるんだ

もう、
ずっと、とおくのことだなんて、思えなくなってしまっているようで

だから、
いま、こんなときからでさえ、
孤独はぬぐえなくって

出会うヒト

出会うヒト

せつなさをまといながら接してしまう

そんなふうに、これから何十年を やりすごすのかな?


さみしくって
かなしくって

きっと、
ぼくたちも、
やがて、
どこかで、
それぞれに



だけど、
ぼくらは、

幸か、
不幸か、

詩を書く者に、
なれたようで













自由詩 いつか、 やがて Copyright わら 2007-02-01 23:02:15
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