れんげノスタルジア
さくらほ

やわらかにゆれる春
少し冷たい足の裏に
わくわくが止まらない

見渡すれんげ畑の向こうを
単線の汽車がゆく
わたしの知らないどこかとどこかが
つながっている

小さな花がわっかのように
まんまる笑顔で
少し小首を曲げて咲いている
髪に挿したら
悲しい事が一つ飛んでいく

寝っころがると
青空とれんげ畑とわたしが溶け合って
わたしも自然の仲間入り
ああ 沁みる
空ってこんなに近いのね
空って両手を広げると抱っこできるような気がするのね

どこかで歌うリコーダー
わたしも一緒に口ずさみ
れんげを摘んで首飾り
春はゆらゆらたちのぼり
あの山にももうすぐ届く
広がってゆく

ねえ
わたし
きっとその広がる春の中で
生まれた


自由詩 れんげノスタルジア Copyright さくらほ 2007-01-29 23:38:33
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