ソラノシタ、君と
し ん


「空って‥私たちみたいよね」

暖冬と呼ばれた日の朝
僕らはベンチに座ろうと
ほんの僅かに積もったキラキラと瞬く雪をはらう
空はまだ青白く薄い綿菓子のようなもやを浮かせる
お日さまも夢より素敵な夢の中にいるようだ

僕らは唯一の共通点
川辺に腰を降ろして
静寂の音の中
没頭し始めた

二人一緒にゆったり
空を仰ぐ
僕はすぐに空から横へ
視線を

空を見上げるのが好きだ
空を見上げる君の横顔を見るのも好きだ
綺麗な曲線を描く君の輪郭
空よりももっと遠くを見詰める
咲き乱れた睫毛

「なによ」

僕の視線に気がついたようだ
照れ臭そうな表情で言葉を向ける

何でもないよ

そう言って僕は目を
きうっと細めて
白いもやを一息吐いて、空を仰ぐ
君もまた、仰ぐ


魚が啼いた




あ、お日さまだ


自由詩 ソラノシタ、君と Copyright し ん 2007-01-29 22:15:08
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