水、ガラス
黒川排除 (oldsoup)
真っ赤なポストを死顔みたいに撫でると雪
灰踏み固める笑顔第二波期待して
テーブルを隔てて海と侵し合う
降りるあてのない壁の上歩いている
暁の尖端で虫が震えていた
悲報掻き消す強風ねじれるシャツ取り込み
雨かぶり波紋寄せまた水柱
冷えた家に今帰ろうきれいな音階で
うおそよぐ頬ぴくりと斧振り下ろし
二つ折の紙開き山を描き閉じる
首都はガラス声と体温以外は捨てよ
ゴムボール放射 三味線遅く響き渡る
痩せた河に船底削る旅が骨身
熊自ら市場に向かう血が眩しくて
清き水落ちる谷底に男子いる
昼は長く庭を剥がれるのに充分
秘書ぼくに墨吐いて窓に寄れという
見て分からぬオール鳥がくわえて持ち去る
ふるきまちのまもり十字路は水で満たされ
遠い象に踏みにじられたい足投げ出し