落書その1
佐々宝砂

地球の一部を救う気たっぷりの人が
地球の一部を救う気たっぷりの人と
地球の一部でこんぐらがっているので
地球の一部は大混乱なのだ

地球の一部の とある国の一室で
男は焼酎のお湯割りに梅干しぶちこんだのを舐め
わくわくにやにやしながらテレビを見る
待ちに待った記者会見がはじまっても
日本政府のコメントは「まだわからん」ばかり

たとえばスポーツ関係の問いになら即答する首相が
昨日は「わからない」を連発しまくった首相が
今夜は顔も見せず「わからない」すら言わない
まあ今夜はそんなもんだよな
明日の朝刊が楽しみだな

男は地球の一部を救おうとは思わない
基本的に自分を救うので精一杯
他人のことなんか知らんわと息巻く
そのわりにはいつのまにやらこの男
隣にいる誰かを救っていたりもするのだが
ニュースはそんなこと報道したりはしない



山田せばすちゃんに。感謝をこめて。
この連作は山田せばすちゃんの「落首」連作が投稿されると
たぶんその夜のうちに投稿されます。しかし返詩ではないのだ。
じゃあなんだと言われるとよくわかりませんが。
「落首」一作目はここよ↓
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=10245&from=menu_d.php?start=0



自由詩 落書その1 Copyright 佐々宝砂 2004-04-09 04:06:22
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