螺旋の怪談
あおば

螺旋階段の
回転の
向きを
途中で
変えてごらん

逆さまになった
コバンザメみたいに
張り付いたまま
落下して
こんどは
地面にへばり付いて
いくら言っても
顔を上げようともしない
地潜りシンドバット

螺旋階段を修理してから分解してから塗り直してから再構築してから爆破してから粉砕してから無くしたの

螺旋階段に住みついていたものたちが
亡霊となって螺旋階段の祟りを作成して
世界中の子供たちの耳の穴に詰め込んで
風の吹く日には、毎秒100回転もの螺旋の針を突き刺して
頭の芯にも恐怖を移植して
時限爆弾になって
空高く飛んでいってしまうのだと
隣の爺さんがまだ幼い孫達を脅かしている
ありそうもない景色を着色合成してみたが
螺旋階段に脅かされるイメージファイルには
トラの皮の縞模様のような不鮮明さと
シマウマのような白黒の美しさはないと
目眩がするほどよく分かった。


自由詩 螺旋の怪談 Copyright あおば 2007-01-24 02:55:28
notebook Home 戻る